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『スワンソング』大崎善生

スワンソング
<評価>★★★★☆
携帯もメールもなかったあの頃、僕たちの恋は強く激しく深かった。それでも気づくことができなかった。彼女が心の底で、哀しく美しい歌をうたい続けていることを―。同じ職場で結婚秒読みの僕と由香の前に現れた、アルバイトの由布子。ラスト1ページまで突き抜ける哀しみのラブストーリー、大崎“恋愛”小説の最高峰。

初めて手に取る作家さん。読んでいて、途中から涙がポロポロとこぼれてきて、最後は号泣してしまいました。こんなに泣くなんて、自分に自分でびっくり。それは何故かと考えたら、ただの恋愛小説ではなくて、病気ものだったから。鬱病は、目には見えないから理解しずらいのだけれども、本当に「死」と密接な病だから。通常の生活が困難になるんですよね。寝る・食べる・起きるといった、基本的な事が出来なくなってしまうから、本当に辛いと思う。

本書では、アルバイト(社員になる前の段階)の由布子が病気になってしまいます。理由は、主人公の男性と恋に落ちるんだけど、彼女である由香という女性の存在。由香からの嫌がらせ、罪悪感、東京での慣れない一人暮らし。大変な仕事。どれをとっても、由布子には大変な事だったのだろうな。。まず、主人公の僕が、由布子と恋仲になってすぐに、きちんと由香に別れを告げていればいいのに、僕は、じりじりと自然消滅を狙っているかのように、はっきりと別れを口に出さないんです。それはちょっとずるいんじゃないの?といいたくなりました。まあ、由香は頑張り屋さんだけど、気が強く、このまま結婚したとしても、自分のレールではなくて由香のレールを辿っていくかも・・という僕の不快感は分かります。

由香もプライドが邪魔をしたんでしょうか。別れを受け入れる事が出来ずに、「私の人生を否定された」と考えて、由布子にいたずら電話を執拗にかけたり、行方不明になったり、最後には。。。正直、主人公の僕の良さがあまり書かれていないから、ここまで人を好きになるって怖いというか、単なる意地っ張りとゆうか。

繊細な由布子は、由香の辛い気持ちや嫌がらせに耐え切れなくなってしまって、だんだんふさぎ込むようになっちゃうんですが、その描写がとても現実感があったと思います。由布子の食事の用意や、片付け、洗濯などを一生懸命こなす主人公だけれど、やはり疲れでイラついて、時にはひどい言葉を投げつけてしまいます。個人的には、入院させて、お互いゆっくりすればいいのに、、なんて感じました。

ひたすらに純粋で目の前の壁を登ろうと必死な二人の姿には涙が出てきます。本書を読むと、たまにはこうゆう純愛小説っていいな、なんて再確認させられます。

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 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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