スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『K.Nの悲劇』高野和明

K・Nの悲劇K・Nの悲劇
(2003/02)
高野 和明

商品詳細を見る

<評価>★★★★☆
夏樹果波は、幸福の絶頂にいた。仕事で成功した夫、高層マンションでの新しい生活。ところがそんな矢先、子供を身ごもった。予期せぬ妊娠だった。中絶という苦渋の選択をした瞬間から、果波の精神に異変が起こり始める。精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。科学と心霊の狭間で、夫と精神科医が治療に乗り出すが、二人の前には想像を絶する事態が待ち受けていた―。男女の問題。性の迷宮。生命の神秘。乗り移られる恐怖。心の中の別の人。『13階段』の著者が描く、戦慄に満ちた愛の物語。

めちゃめちゃ怖くてゾッとするお話でした。でも続きを読まずにはいられない、そんな作品。夫の修平と妻の果波。冒頭、二人は幸せの絶頂にいます。今まで売れない貧乏ライターだった夫が書いた「快適暮らし学」という本がヒットし、莫大な印税が入ってきたのです。お祝いのパーティが開かれ、その宴の後、印税で頭金を払った高層マンションへと引越します。そしてその夜、気分が昂ぶっている二人は避妊をしないまま夜を迎えてしまったのです。

赤ちゃんが出来たと分かった時、妻の果波は素直に嬉しいと感じます。これって同じ女としてすごくわかる。ただただ、嬉しくて、幸せなんだろうな。 だけど、夫の修平は現実問題として、マンションのローンが月々14万かかるし、印税は頭金に使ってしまったし・・果波には悪いけど、中絶してもらって、働いてもらわなければいけないと思います。ここが、なんとも情けなく感じる場面でした。物凄く働いて、妻も赤ちゃんもローンも俺にまかせろ!くらいの気持ちを持って欲しかったですね。うじうじと妻の顔色を見るのではなく。

中絶を決めてから、果波が何かに憑かれたかのように変わっていくのですが、もうただただ読んでいて怖かったです。精神障害なのか、幽霊のせいなのか・・・。普段の果波が穏やかで従順なだけに、言葉がきつく、反抗的な果波が怖かった~。

果波の治療をする精神科の先生の磯貝は、ついこの前、目の前で患者を自殺させてしまったのです。理由は子供が出来ないという理由。なんとも皮肉だなあ、と思いましたね。途中からは、果波は精神障害じゃないよ、絶対、幽霊のしわざだよ、早く御祓いをしてーと思いながら読んでいました。

時間はかかったけど、ラストまで読んで、修平という人間が大人になった。良かった。と感じました。

コメントの投稿

非公開コメント

わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

今、読んでいる本
カテゴリ
お気に入りの本好きさんたち。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。