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『船に乗れ!』Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ 藤谷治

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<評価>★★★★☆
音楽一家に生まれた僕・津島サトルは、チェロを学び芸高を受験したものの、あえなく失敗。不本意ながらも新生学園大学附属高校音楽科に進むが、そこで、フルート専攻の伊藤慧と友情を育み、ヴァイオリン専攻の南枝里子に恋をする。夏休みのオーケストラ合宿、市民オケのエキストラとしての初舞台、南とピアノの北島先生とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、一年は慌しく過ぎていく。書き下ろし、純度100パーセント超の青春2音楽小説。

とても話題になっていた本。やっと読む機会に恵まれました。いやあ、想像していたより、すっごく良かったです。青春物として、傑作といっていいと思います。挫折をした事のある大人なら、みんな共感できるのではないでしょうか。私は幼い頃、ピアノを習っていて、先生が怖くてやめて、大学でクラリネットを吹いていたんだけど、本当にへたっぴだったので、音楽に関しては何も挫折とかはないのだけれど、進学校に進んだのに、病弱で勉強で挫折した経験があるので、読んでいて、かなり共感する所がありました。物事が上手く進んでいる時って、本当に何も考えないんですよね、「自分はこうやって生きていくんだ」みたいな感じがボワっとあって。。でも、その分野で自分にはプロや専門家にはなれそうもないぞ、と気づいてしまった時って、非常に辛いと思う。今まで立っていた地面が崩れていくような不安に襲われちゃう。。

サトルが経験した事は、甘く苦いものだけど、絶対に人生の糧になると思う。これでチェロで成功していたら、もしかしたらサトルはもっと高慢ちきな人間になっていたかもしれないもの。音楽一家に生まれたからこそ、両親がチェロへの道を開いてくれたんだし、留学も経験できた。自宅に練習する部屋もある。これってすっごく恵まれてますよね。普通、楽器をやってると近所迷惑を考えなければならいですもんね。

サトルの恋の相手の南枝里子。この枝里子が、本当に庶民の家の生まれなので、お金持ちが多い学校では、「めんるい」(実家が蕎麦屋)などと陰口を叩かれたりするし、練習も夜の8時までなど、制約が多いんですね。でも、私的には、だからこそ枝里子にはもっとバイオリンを頑張って欲しかったなあ。サトルが留学に行っても行かなくても、自分は自分のやり方で頑張って欲しかった。青春の罠っていいたくなるような結果になるんだけど、きっと大人になった枝里子は幸せだと思う。ちゃんと最後にけりをつける事が出来たから。

親友の伊藤君の恋心も、ほんのりとほろ苦く、サトルは鈍感だなーとしみじみ。この伊藤君こそが、本当の意味の天才で、嬉しい時はフルートを吹き鳴らしたり、とっても無邪気で可愛らしかった。

先生との事は、サトルが悪いけど、若い時には、どうしようもない怒りの塊みたいなのがあって、誰かにそれをぶつけないとやってられない時があるんですよね。他の先生にいいつけた時は、読んでいて嫌な気持ちになったけれど、サトルはちゃんと許されなくても謝りにいったから、まだ救われたと思う。謝らないままだと、一生わすれられない嫌な記憶になってしまうから。正しい事をした時も、間違った事をした時も、それを見ているのは自分自身なんですよね。くねくね曲がっても、正しく生きていきたいなあと感じました。

音楽学校の雰囲気とか、オーケストラをする大変さと楽しさ、それらがグングン胸にせまってきて、満ち足りた読書時間でした。

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やま☆わか

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 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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