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『凍りついた香り』小川洋子

凍りついた香り凍りついた香り
(1998/04)
小川 洋子

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<評価>★★★★☆
プラハへ。死者をたずねる旅に出る「新世界」ミステリー書き下ろし長編。

なんて密やかに、静かに語りかけてくるお話なんでしょう。うっとりするほど。小川作品には、外れがないな、と思います。このひんやりした繊細な世界観は、小川さんしか描けない気がする。

ある日、恋人が自殺してしまうのです。無水エタノールを飲んで。はたしてその無水エタノールという液体を飲んで本当に人が死ねるのか?などと思う私は無粋。何故彼が無水エタノールを持っていたかといえば、彼の職業は調香師だったから。香水を調合して作る・・なんて素敵な職業・・。憧れます。

彼の死の原因を知りたくて、主人公はプラハへと旅立ちます。プラハの空港で落ち合ったコンダクターの青年は、日本語をちっともしゃべれなくて、最初主人公は不満に思うのですが、旅を続けるうちに、彼が導いてくれるように感じるんです。言葉が通じない彼とだったからこそ辿りつけた秘密のあの場所。

自殺した恋人は、幼い頃から数学の天才で、母親に連れられていろんな数学の大会に出場していたのです。その事を知らなかった主人公は最初はびっくりするものの、だんだん彼の自殺に納得できるのです。読んでいるこちらも、はっきりとした原因ではないものの、彼のあまりにも繊細で壊れやすい心模様を知って、「ああ、なるほど」と納得できました。悲しいお話なんだけれども、言葉がとても美しくて、穏やかな気持ちになれます。

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 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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