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『骨肉』明野照葉

骨肉 (中公文庫)骨肉 (中公文庫)
(2007/09/22)
明野 照葉

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<評価>★★★★☆
ある日、稲本家の三姉妹に父親から「実家に来い」と招集がかかった。すでに大人として、別々の人生を送っている娘たち。困惑しつつも、実家に集合した彼女たちを待っていたのは父と四女だった!突然の隠し子登場に、唖然とする三姉妹だが…。家族関係の異変をユーモラスに描いた傑作。

本書は、いつものホラーな明野さんとは少し違う作品でした。ユーモアも書ける方なんだな、と感心しました。まあ、ユーモアといっても、わりとブラックなんですが。

面白かったのは、稲本家の三姉妹が、それぞれに欠点を持っていて、常にお互いに欠点を攻撃して、ついつい喧嘩になってしまう所。もっと仲良くすればいいのに・・とは思いますが、気が強いとこうなっちゃうんでしょうね。

姉の真子は、子持ちの主婦なんだけれど、思春期の子供たちに邪険にされ、心にウツウツとしたものを抱き、毎晩にようにアルコールを飲んでいる。 次女の聖美は、キャリア・ウーマンだが、仕事にかこつけて、部屋が汚部屋となっている片づけられない女。 三女の美善は、いつも愛に飢えていて、出会い系サイトにはまっている。

ここに、父親の隠し子だという阿子というコギャルでヤンキーちっくな女の子が登場し、三姉妹はびっくりしつつも、阿子のふてぶてしい態度や清潔感の無さを見て、家から出て行って欲しいと願うのですが、ここの父親が、若い時は、女の赤ちゃんや幼児とどう接していいかわからずに、三姉妹をほとんど可愛がらずに生きてきてしまったので、天涯孤独となった阿子を、ものすごく可愛がるんです。三姉妹からしたら「それはないんじゃないの?」となりますが、その気持ちはすごくよく分かりました。父親の阿子に対する溺愛ぶりを見ていたら、そのうち、全財産を阿子に相続させちゃうのでは・・と不安になってゆくのです。

稲本家には、土地や投資などで、億単位の財産があったからなおさら、三姉妹はヒートアップします。でも、この慌てぶりを読んでいて、財産という言葉が心から嫌になりました。まだ父親は生きているのに、三姉妹はお金の事ばかりに東奔西走していて、その半分でも父親を労ってあげれば?と感じました。

財産を計算して、それぞれに5千万くらいの遺産が入るとわかった時の、三姉妹の頑張りは、ちょっと面白かった。長女はお金があれば子供に愛想をつかされないと思い、お酒を飲まなくなるし、次女は部屋を綺麗に片付けちゃうし、三女は英会話を習いだしたりしちゃうんです。たかがお金、されどお金なんですよね。この辺の描写はさすがだな~と感心するくらいに良く書けていたと思います。

遺産争いなんてしたくないけど、もし我が家に阿子ちゃんが来たら・・と思うと、やっぱり私も嫌かもしれない。あっけらかんとした可愛さはあるけれど。

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