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『声だけが耳に残る』山崎マキコ

声だけが耳に残る (幻冬舎文庫)声だけが耳に残る (幻冬舎文庫)
(2009/02)
山崎 マキコ

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<評価>★★★★☆
風呂無しアパートに引きこもりの二十六歳の加奈子は、社会復帰の第一歩でとある会合に出かけ、無気力の原因は「アダルト・チルドレン」と知らされる。難しいことは分からないけど、とにかく治りたい、と願う加奈子の前に同じ傷を負った男の子が現れた。苦しい、でも生きたい、と凄絶に願う二人は「社会」と体当たりで闘おうとする。感動の長編小説。

AC(アダルトチルドレン)という障害に対して、作者の山崎マキコさんが、本当に全力で書き上げたんだな、というのが伝わってきます。主人公の加奈子は、幼い頃、父親が母親にふるう暴力を見て育ったのだが、大人になるにつれ、社会と上手く折り合いがつけられなくなって、会社も辞めてしまい、貧乏な引きこもり生活を送っています。

テーマは重いのですが、加奈子は自虐的に、時にはユーモアさえみせながら、「どうしてだろう?」と考えながら問題に体当たりで臨んでいくんです。しゃべり方とか乱暴だし、全く色気のない加奈子なんだけど、それが重めのテーマを軽く読ませてくれて、とても良い。これで加奈子までうじうじとしていたら、救いようのないお話になってしまうと思う。

理由は分からないのだけれど、何故かSMプレイで奴隷役をして体を痛めつけないと駄目な所や、自助グループや問題の核心に触れると具合が悪くなってしまうんです。これは加奈子のせいではなくて、親のせいなんですよね。だけど、頑張らないといけないのは加奈子であって・・・。子供は親を選べないですからね。。

自助グループで知り合った男性のケンちゃんとの掛け合いが、ただの友達なのに、夜、何十回も電話をしたりしてて、なんか面白かった。加奈子が持つ明るさと程よい距離感がケンちゃんにとっては一緒に居て楽だったのかな?と感じました。

読んでいて、何故だかパワーをもらえた気がする。加奈子は、お金に困ったら、後先考えず、何でも屋のアルバイトを始めたり、自助グループにもとりあえずばーっと行ってみたり、とにかく行動力があるので、「ほら、働けてるじゃん!!」と言ってあげたくなります。頭でいろいろと考えれば考える程、いけない方向にいっちゃう気がするので。

ケンちゃんについては、きっと、加奈子が凄い勢いでアダルトチルドレンから抜け出そうとしてるのを見て、きっと焦っちゃったのかもしれない・・もっとカウンセラーとかいろいろあったとは思うんだけど、何にしてもお金がかかるんですよね。それも治療を阻む問題の一つかも知れないですね。

山崎マキコさんは、以前、『ためらいもイエス』を読んで、なかなか良かったので、他の作品も追いかけていきたいと思っています。

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