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『よるのふくらみ』窪美澄


その体温が、凍った心を溶かしていく。29歳のみひろは、同じ商店街で育った幼なじみの圭祐と一緒に暮らして2年になる。もうずっと、セックスをしていない。焦燥感で開いた心の穴に、圭祐の弟の裕太が突然飛び込んできて……。『ふがいない僕は空を見た』の感動再び! オトナ思春期な三人の複雑な気持ちが行き違う、エンタメ界最注目の作家が贈る切ない恋愛長篇。


<評価>★★★★☆
なんだかじっとりとしたお話でした。湿度が高いような。それぞれの気持ちが細やかに書かれているので読んでて少し苦しかったです。

小さな商店街で育ったみひろと圭祐と祐太(兄弟)の三角関係のお話。性欲ってやっかいですよね。なんでこんなものあるんだろう?って思わずにはいられません。しょっぱなからみひろの性欲について書いてあるので、ちょっとドギマギしながら読みました。でも人間だから、こうゆう感情って少しはありますよね・・。振り回されたくはないけど。昔から成績も性格もよく、優等生な兄の圭祐、その圭ちゃんと婚約してるにもかかわらず弟の裕太に気持ちがいってしまうみひろ。みひろを好きだけど、どうしても性欲がわかない圭祐。みひろの事を忘れるためにパチンコ依存症のシングルマザーとつきあっちゃう弟の裕太。それぞれの想いがとても切なかったです。

みひろと圭祐が性欲を汚いもののように考えちゃうとこらへんは、それぞれの親の影響かなーと感じました。(他の男と失踪とか浮気とか)。あらすじにもあるように、ほんとオトナ思春期って言葉がぴったりでした。

でもいろいろありつつもラストはみひろは強かった!女が圧倒的に強い。小さな商店街だから噂でいろいろ言われるだろうに、出産と結婚を決めたみひろ。あと、圭祐が出会うソープの大阪の女の子もなんかよかった。その先をもっと読みたい、そんな小説でした。
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『晴天の迷いクジラ』窪美澄


デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた―。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。山田風太郎賞受賞作。


評価 ★★★★★
ものすごく良かったです。一気読みでした。由人も野乃花も正子のどのパートも読んでいて息が苦しくなりました。こんなに必死で生きているのに、まだ生きなくちゃならないのって思ってしまいます。恋愛、仕事、母との関係・・どれもひとすじなわじゃいかないんですよね。どうして自分は生きているんだろうってずっと考えてしまいました。

人間生きていれば死んでしまいたいとか消えてしまいたいとか、一度くらい思うと思います。実際私にもそうゆう時期がありました。一人でうつうつと悩んでいたけど、もっと周りの人に一生懸命助けてっていえばよかったなあ、なんて感じます。
特に心に深く刺さったのは母親との関係に悩む正子のパートでした。こんな母親だったらグレルか狂うだろうなと思います。正子は真面目だから狂う方にいったんでしょうね。私も母親から「~ちゃんとは遊んではだめ。親も感じ悪い」みたいなことを言われたことがあるのですごく共感しました。悲しくって悔しかったです。

クジラを見に行くのはいいけど、最後はどうなるんだろうってハラハラしましたがなんだかじんわりと救いがあってほっとしました。クジラが少しずつ弱っていく感じがたまらなく読んでいて辛かったです。とてもとても印象深い本でした。

『クラウドクラスターを愛する方法』窪美澄


「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。
誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。
その原因は……

デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作家が「家族」を描く、待望の第3作。
表題作書き下ろし。


評価 ★★★★☆
初めての窪作品でした。とてもささいな心理描写が上手な作家さんだなと思いました。主人公の女性は仕事も恋愛もあまりうまくいっていません。うつうつとした気持ちを心の中に抱え込んでいます。主人公はただただ、帰れる場所が欲しかったのではないでしょうか。ほかで生活していても帰れる場所があるということは実に幸せなことだと思います。主人公の両親は離婚してしまっているので、帰れる場所がないいんだなと思いました。

クラウドクラスターとは気象用語で積乱雲のこと。積乱雲の下では天気が荒れ狂ったりするのです。そうゆう天気のときがないと、青空もさしてはこないものなのです。クラウドクラスターのような母親でも、親子なのだからうまくつきあっていかなくてはいけません。主人公自身も、時にはクラウドクラスターのように感情をむきだしにしても良いのではないかな?と思いました。いつも負の感情をうちに秘めてためこんでいるような気がしましたから。

『キャッチアンドリリース』は、変態の男の人がただただ怖かったです。こちらも両親の不仲により傷ついた子供のお話でした。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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