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『憧れの女の子』朝比奈あすか


「次は女の子を産むわ」そう宣言して産み分けに躍起になる妻。「本当にどうしても女の子を産まないと駄目なのか」妻の意志に、違和感が濃くなってゆく夫。お互いに心揺れる日々を過ごすなか、新たな命を授かる。果たして、その性別は?そして、夫婦がたどった道は―(表題作)。男女の日常に生じたさざ波から見える、人間の愛おしさ、つよさ―。深々とした余韻が胸に響きやまぬ傑作五編。


評価 ★★★★☆
読むのを楽しみにしている朝比奈あすかさん。今回もすっごく良かったです。短編集で、5篇から構成されています。どのお話しも身近にありそうな題材で、行動とか心理描写がリアルで共感できました。1つ1つを長編にして欲しいくらい面白かったし、興味深かったです。

「憧れの女の子」・・次こそは絶対に女の子を産みたい母親の話。最初は、性別なんてどっちでもいいじゃん健康ならって思ってたけど、だんだん母親の本気度が伝わってきて、女の子を産ませてあげて~って思いました。もう今は産み分けって結構出来るもんなんですね。ピンクゼリーとかあるんだってびっくりしました。ラストはなんだかんだいって幸せな気分になれました。

「ある男女をとりまく風景」・・ある夫婦のお話。主人公はセンギョウシュフです。途中まで読んで、なんて横柄な旦那さんなんだー絶対嫌だって思っていたら、あららそういうオチだったんですね。そうゆう形の夫婦、私はありだと思います。

「弟の婚約者」・・ある日可愛がっていた弟から婚約者に会って欲しいとお願いされる姉のお話。ほんと、恋って盲目ですね。もし私にも弟がいたらかわいがっちゃうだろうな~。たとえどんな彼女を連れてきても応援してあげたいって思うけど、ここに出てくる彼女さんはすこーし微妙かもしれない。。個人的に我が夫に女兄弟がいなくて良かったなんて感じました。

こうゆうお話しを長編でじっくり読みたいです。
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『プールサイドの彼方』朝比奈あすか


ひとりの少女が恋をして、仕事に就き、母になるまでの二十数年間。濃密な日々―。要注目の新鋭が「母と娘」の圧倒的な本音をえぐり出した、著者初の長編小説。


評価 ★★★★☆
ぐいぐいと惹きこまれ、続きが気になり一日で読了することができました。主人公に共感できるところはほとんどないのだけれど、リアルに細かく描かれているので、ページをめくる手がとまりませんでした。

主人公・石川ひとみ18歳。大学生活、恋愛、社会人、結婚、出産と、どんどん世間にもまれていくというか、流されていく、という言い方が一番しっくりくるような気がします。大学にはいった頃は純粋でちょっとしたことで泣いちゃうひとみでしたが、世間の荒波の中でだんだん気が強く、自己中心的になっていくさまが読んでいて痛々しかったです。でも、自分の中にもそうゆう部分が少しはあるかもしれないなーとひやりとしました。

一昔前の時代なので、「僕らの七日間戦争」とか宮沢りえとかポケベルとかがすっごい懐かしくて胸がぎゅうっとなりました。面白かったので、やはり追いかけていきたい作家さんだな~と感じました。

『不自由な絆』朝比奈あすか


仕事に生きてきた洋美と専業主婦のリラは、乳児の予防接種会場で再会した。同級生だった彼女がまさか自分と同じ時期に同学年の男の子を産んでいたなんて。頼もしいママ友ができたと好ましく思っていたが、こども同士の諍いをきっかけに、悩み苦しみ傷つき葛藤する。やられるばかりの息子が歯がゆい、乱暴な息子を愛せない。女たちの心の叫びを描く、著者会心の書下ろし長編。


評価 ★★★★☆
私にはまだ子供がいないけど、いつかは・・と思っているので、読むのが大変につらく、息苦しい気持ちになりました。朝比奈さんはこうゆう母親の心情を細かにリアルにかかれているので、興味深かったと同時に、子育てが怖くなりました。

赤ちゃんを産むまではよくても、その後の育てるという行為は、本当に繊細。ただ大声でしかればすむという話しではないんですよね。ママ友のリラと洋美。偶然にも同い年の男の子を育てているんですが、最初はよかったものの、線が細くていじめられっぱなしのリラの息子。わんぱくで問題ばかりおこす洋美の息子。どちらの母親の悔しさ、無力感がひしひしと伝わってきました。そして子供の行動によって、ママ友の関係もすごくギクシャクしたものになっていってしまいます。時には憎むほど。

洋美がネットで息子を愛せないという記事をわーっと書くシーンでは、読んでいてなんだかおろおろしてしまいました。女の子より男の子のほうが大変なのかな?そんなことないですよね、女の子は女なりのヒエラルキーとか幼い頃からありますもんね。

ラストはほんのりとすがすがしく、希望というか許しの光がさしてきたように感じました。朝比奈さんの作品は今のところ外れがないですね。これからも応援していきたい作家さんです。

『彼女のしあわせ』朝比奈あすか


長女・征子は百貨店の幹部社員。独りで生きると決めてマンションを購入した。次女・月子は専業主婦。幼い娘を放り出しブログの世界に逃避している。三女・凪子は姉たちにも告げていない体の秘密を抱えたまま結婚した。母・佐喜子は夫と姑への我慢が限界に達し、ついに家出をする。三人姉妹と母親、それぞれの傷を抱えて生きる四人の女性の哀しみを包み込む物語。


評価 ★★★★☆
三冊目の朝比奈さん。今回も女性ならではのいたみが書かれてあって非常に興味深く読むことができました。三姉妹とその母親のお話です。それぞれに悩み、不安、閉塞感、などを持っています。外側からみれば十分幸せにみえるけれど、内側は幸せとはいいがたいのですよね。しあわせって理想とすればするほど、遠くに逃げていってしまうものなのかもしれません。征子にも凪子にも共感したけど、次女の月子のパートがいちばんはらはらしながら読みました。私にはまだ子供がいないけれど、姉の子育てをみて、大変さはわかっているつもりなんだけど、読んでいて苦しかった。子育てってすっごい大変なんだな~としみじみ。泣きじゃくる子供を放って、ブログを人気にしようと逃げ込む姿がなんだかリアルでした。でもラストがすがすがしいんですよね。ほっとします。どのお話も最後はそれなりに希望が見えるので、読後感は良いです。また朝比奈さんの作品を読みたいな。

『やわらかな棘』朝比奈あすか


弟が死んだその日から、私はものが食べられなくなった。勤めている花屋の店主の井上さんは、いつも休憩時間にお菓子を出してくれる。決して、私が手をつけないと知っているのに。大好きな弟が自らの命を絶った夜、私は不倫相手からの電話を待っていた(「春待ち」)。忘れられない4つの記憶を巡る連作群像劇。


評価 ★★★★☆
面白かったです。デビュー作の『憂鬱なハスビーン』からするとすっごく上手くなってると思った。他の作品もどんどん読んで生きたい。読みやすい文章で、すーっとひきこまれました。女性の心理描写がめちゃくちゃ上手くて、読んでいてどきっとさせられたり苦しくなったりしました。私にもこうゆう部分が確かにあると・・。

登場人物たちが少しずつ繋がっている連作短編集でした。こうゆう構成って大好き。一番インパクトがあったのは、初めの章のふられた彼氏に復習しようとする晴ちゃんのお話かな。もちろん復習なんて世間的にみればだめなことなんだけど、この彼氏が最悪すぎてざまあみろって少し思いました。ふたまたしたあげくに地位の高い女を選ぶって最低ー。これを読んでいたら、学生時代ってなんて楽しくて悩みがなかったんだろうって感じます。悩みがあってもわりと小さくて、失恋してもわーってなけばすっきりしていたような気がする。大人になればなるほど、男女間のトラブルって心にささる。しかもやわらかい棘だからなかなか抜けないんですよね。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
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 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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