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『最後の証人』柚月裕子

最後の証人 (宝島社文庫)最後の証人 (宝島社文庫)
(2011/06/04)
柚月 裕子

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元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。


評価 ★★★☆☆

うーん。。普通に面白かったかな。ラストはもちろんびっくりさせられました。そうゆうことだったのか!と。。高瀬夫妻が気の毒で気の毒でたまりませんでした。最愛の息子を交通事故で亡くすんですが、犯人は信号無視のべろべろの飲酒運転だったのです。しかも地位を利用しての隠蔽工作で、なんと不起訴になってしまうんです。悪かったのは息子さんのほうだと。二人でディナーナイフを持って殺人の練習をするとこなんか、読んでいて胸がつまりました。

全体的にもう少し詳しくかいてくれてたらもっと楽しめたかな?
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『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』山田詠美

明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
(2013/02/27)
山田 詠美

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ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。澄生と真澄の兄妹に創太が弟として加わり、さらにその後、千絵が生まれる。それは、幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。しかし、落雷とともに訪れた“ある死”をきっかけに、澄川家の姿は一変する。母がアルコール依存症となり、家族は散り散りに行き場を失うが―。突飛で、愉快で、愚かで、たまらなく温かい家族が語りだす。愛惜のモノローグ、傑作長篇小説。


評価 ★★★☆☆

久しぶりの山田詠美さんでした。ラストのページであやうく泣くところでした。自分でもびっくりしました。

バツイチどうしの結婚、しかもお互いに連れ子あり・・という状況はなかなかむずかしいものがあるのでは、と心配したのですが、本書の家族はみんな健やかで素直で、あっというまに仲良し家族になることができました。

しかし、母親の連れ子の長男が落雷で死んでしまうのです。若すぎる死でした。みんな嘆き悲しみますが、一番ひどかったのが母親で生きる希望を失い、あっという間にアルコール依存症になってしまいます。仲良し家族がこわれそうになりながらも、みんななんとかふんばり、泣き笑いしながら再生していく物語となっています。

一番切なかったのは創太のけなげさでした。ひとりだけ母親と血がつながっていません。(父親の連れ子だから)。一生懸命はげます創太に母親がどうしてあなたじゃなくて長男が死なないといけないの?みたいなことを口走ってしまうんです。読んでいてつらかったです。

なんとなく毎日生活しているけど、死ってものすごく身近にあるんだなと痛感しました。それこそ明日事故や事件で死ぬかもしれません。大切な人もそうです。毎日をきちんと丁寧に生きていかなくてはいけませんね。思いやりを忘れずに・・。



『なぎさ』山本文緒

なぎさ (角川書店単行本)なぎさ (角川書店単行本)
(2013/10/22)
山本 文緒

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家事だけが取り柄の主婦、冬乃と、会社員の佐々井。同窓生夫婦二人は故郷長野を飛び出し、久里浜で静かに暮らしていた。佐々井は毎日妻の作る弁当を食べながら、出社せず釣り三昧。佐々井と行動を共にする会社の後輩の川崎は、自分たちの勤め先がブラック企業だと気づいていた。元芸人志望、何をやっても中途半端な川崎は、恋人以外の女性とも関係を持ち、自堕落に日々を過ごしている。夫と川崎に黙々と弁当を作っていた冬乃だったが、転がり込んできた元漫画家の妹、菫に誘われ、「なぎさカフェ」を始めることになる。姉妹が開店準備に忙殺されるうち、佐々井と川崎の身にはそれぞれ大変なことが起こっていた―。苦難を乗り越え生きることの希望を描く、著者15年ぶりの長編小説!


<評価>★★★★★

待ちに待った山本さんの新刊!!書店で発見した時には小躍りしたいくらいでした。もちろん文庫化までなんて待てないので、単行本で購入しました。いつもは文庫しか買わないのだけれど、山本さんなら話は別なんです。15年ぶりですよ!

なぜいつも同じ悩みを、過ちを繰り返してしまうのだろう・・と帯にのっていますが、本当にその通りのお話しでした。今までの山本さんとはガラッと雰囲気が違った筆致だと感じました。しみじみと切なく、悲しくやりきれない思いをしながらの読書となりました。

最初は冬乃と佐々井がどうして故郷をでたのか、妹の菫にどうして会いたくないと言われていたのかわらないまま読み進めることになります。とにかく転がり込んできた妹の菫にものすごく気を使っているのが不可解でした。
冬乃は家事だけが取り柄なんて自分でも思っているのですが、カフェで店長として働くようになってから、少しずつ強くなります。背筋をしゃんと伸ばした感じ。

夫の佐々井は飄々としてそうに書かれているのですが、ブラック企業に勤めていると頭では分かっていても、なかなかやめることができません。最後、病院にいくくだりは、涙がでそうになりました。仕事ってなんだろ?と感じずにはいられません。

元お笑い芸人の川崎も、芸人でうまくいかず、その後に勤めたのはブラック企業ということで、さんざんな目にあいます。

世の中には、沢山沢山家族があって、大好きな家族でも大嫌いな家族でも、とらわれてしまうんだなあ。
血は水よりも濃いというフレーズが頭をよぎります。何歳になっても悩みってあるものなんですよね。それをちょっとづつ乗り越えていける力をくれる作品でした。

『声だけが耳に残る』山崎マキコ

声だけが耳に残る (幻冬舎文庫)声だけが耳に残る (幻冬舎文庫)
(2009/02)
山崎 マキコ

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<評価>★★★★☆
風呂無しアパートに引きこもりの二十六歳の加奈子は、社会復帰の第一歩でとある会合に出かけ、無気力の原因は「アダルト・チルドレン」と知らされる。難しいことは分からないけど、とにかく治りたい、と願う加奈子の前に同じ傷を負った男の子が現れた。苦しい、でも生きたい、と凄絶に願う二人は「社会」と体当たりで闘おうとする。感動の長編小説。

AC(アダルトチルドレン)という障害に対して、作者の山崎マキコさんが、本当に全力で書き上げたんだな、というのが伝わってきます。主人公の加奈子は、幼い頃、父親が母親にふるう暴力を見て育ったのだが、大人になるにつれ、社会と上手く折り合いがつけられなくなって、会社も辞めてしまい、貧乏な引きこもり生活を送っています。

テーマは重いのですが、加奈子は自虐的に、時にはユーモアさえみせながら、「どうしてだろう?」と考えながら問題に体当たりで臨んでいくんです。しゃべり方とか乱暴だし、全く色気のない加奈子なんだけど、それが重めのテーマを軽く読ませてくれて、とても良い。これで加奈子までうじうじとしていたら、救いようのないお話になってしまうと思う。

理由は分からないのだけれど、何故かSMプレイで奴隷役をして体を痛めつけないと駄目な所や、自助グループや問題の核心に触れると具合が悪くなってしまうんです。これは加奈子のせいではなくて、親のせいなんですよね。だけど、頑張らないといけないのは加奈子であって・・・。子供は親を選べないですからね。。

自助グループで知り合った男性のケンちゃんとの掛け合いが、ただの友達なのに、夜、何十回も電話をしたりしてて、なんか面白かった。加奈子が持つ明るさと程よい距離感がケンちゃんにとっては一緒に居て楽だったのかな?と感じました。

読んでいて、何故だかパワーをもらえた気がする。加奈子は、お金に困ったら、後先考えず、何でも屋のアルバイトを始めたり、自助グループにもとりあえずばーっと行ってみたり、とにかく行動力があるので、「ほら、働けてるじゃん!!」と言ってあげたくなります。頭でいろいろと考えれば考える程、いけない方向にいっちゃう気がするので。

ケンちゃんについては、きっと、加奈子が凄い勢いでアダルトチルドレンから抜け出そうとしてるのを見て、きっと焦っちゃったのかもしれない・・もっとカウンセラーとかいろいろあったとは思うんだけど、何にしてもお金がかかるんですよね。それも治療を阻む問題の一つかも知れないですね。

山崎マキコさんは、以前、『ためらいもイエス』を読んで、なかなか良かったので、他の作品も追いかけていきたいと思っています。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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