スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる』野村美月


バスケの強豪校で練習に打ち込んでいた詩也。けれどある日、彼は人ではないものになってしまった…。人を遥かに超える身体能力を得たため、バスケも続けられず転校したその先で、詩也はマリア様を思わせる綺麗な先輩に出会い、告げられる。「わたしと、おつきあいしてください」―つれていかれた先は演劇部。そこで詩也は、何と先輩のパートナーとしてドラキュラを演じることになってしまい…!?ドラマティック青春ノベル、ここに開幕!!


<評価>★★★★☆

久々のライトノベルです。野村さんは「文学少女」シリーズがとっても好きだったので、こちらも気になって読んでみました。青春ものですね。相変わらず文章がとても綺麗で読みやすかったです。

バスケが大好きでバスケの事しか頭になかった高校生の詩也。ある日通り魔に刺されて死のふちをさまよいます。そんな時、赤い目をした少女に助けられ、なんと吸血鬼になってしまうのです。抜群の身体能力、嗅覚、視覚、永遠の命を授かります。そんな自分に詩也は苦しみます。バスケが楽しくなくなってしまったのです。そこで転校をし、新しい環境に身をおきます。そこである日天使のような先輩、綾音先輩に出会い、演劇部に誘われ、ドラキュラの役をやることになったのです。

もう、綾音先輩がすごく心が綺麗で、文学少女の遠子先輩を少し思い出しました。永遠に死ぬことができなくなったと嘆いている詩也に綾音先輩は「私が殺してあげる」と叫びます。劇の中で殺してあげるという意味です。最初はものすごく大根だった詩也がだんだん演劇の面白さに気づき、上手になっていくところが爽快でした。ラストの劇本番もすごくよかった。永遠の命をさずかったという事は、永遠に誰かを愛することができるということなのですね。

今回のシリーズは演劇が舞台です。演劇を観にいきたくなっちゃいますね。続きも読みます。
スポンサーサイト

『ガダラの豚』中島らも


怪しげな僧侶やインチキ新興宗教の教祖、超能力青年や手品師、さらには呪術研究家やアフリカの呪術師など、日本とケニアの魑魅魍魎が跋扈する世紀末の人間戯画。


評価 ★★★★★
むちゃくちゃ面白かったです。なんて本を読んでしまったんだ~という感じです。今まで生きてきた中でもかなり上位に入る面白さでした。上下二段組で分厚いので、最初は読み通せるか不安でしたが、徹夜して読んでしまいました。中島らもさんってすごいお話しを書ける方だったんですね。なんとなくアル中というイメージくらいしか持っていませんでしたが。

最初のほうで奥さんがインチキ新興宗教にのめりこみそうになってるところを、徹底的に科学的に説明してくれて、真ん中のほうで家族とテレビクルーを連れてアフリカに行き、最後のほうで呪術ってあるかもよーあるんだよーとこれでもかと人がバッタバッタ狂ったり殺されたりします。上手く説明できないんですけど、ほんと、魑魅魍魎が跋扈する世界でした。

アフリカの村の描写がリアルで良かった~。自分までアフリカにいるような気分にさせてくれます。まだまだ不便なところなんですね、水も電気も通っていないし、医者ではなく呪術師が活躍しているんですね。バキリという盲目の呪術師のおじさんがひたすら不気味で怖かったです。バキリが所有している呪術の源、バナナのキジーツの正体が分かった時にはものすごい衝撃でした。伏線がいたるところにはりめぐらされていました。

ラスト近くでは、目をおおいたくなるようなシーンが多かったです。あまりにも人が死にすぎます。その死に方もまたぐろくて・・。それなのに読みやめることが出来ないんです。くらくらとする読後感でした。最後まで奥さんの勇気とユニークさに救われる感じでした。オススメです。

『九月が永遠に続けば』沼田まほかる

九月が永遠に続けば
<評価>★★★☆☆
息子の失踪直後に、愛人の男が死んだ。もしかして、息子が殺したのか?。第5回ホラーサスペンス大賞受賞作。

最近、『ユリゴコロ』が話題の沼田まほかるさん。図書館の書架で沼田さんの作品を発見したので、いそいそと借りてみました。ホラーサスペンス大賞をとった作品らしく、ドキドキしながら怖い思いをしました。全体的に暗くてひたすら重いお話でした。息子の失踪を調査していくうちに浮かび上がる過去の災難。

びっちりと書かれているので、読み応えはありましたが、登場人物の誰にも共感出来なく、なんとなくつらつら読んだな、という感じ。

別れた夫の新しい娘の事を好きだという犀田に、主人公の佐知子が自分からアプローチしていって、男女の関係になるなんて、なんだか気持ち悪いな・・と思ってしまうのです。私だったら、元夫とは全く関わりのない男性を好きになると思うんだけれど。

ゴミをサンダルで捨てにいった息子が失踪してしまった。これにはかなりハラハラものでした。もしや殺されているのでは?なんて嫌な想像ばかりが頭を過ぎってしまって。

別れた夫が新しい奥さんに選んだ女性には、壮絶な過去があって・・。あまりにもひどすぎて、読んでいて辛いものがあった。二度もそんな目にあえば、精神(心)が壊れてしまっても当たり前かと。カウンセリングの場で、医師と患者の間で恋が生まれるのはよく聞きます。だって、自分を理解してくれるのは先生だけなんだから。でもそれは、冷静になれば、きっと何か違う気持ちだと思うんだけどな。

佐知子を支える息子の幼馴染みの父親も、しゃべりかたとかなんだか気持ち悪いし、実際佐知子もこの父親には結構、八つ当たりしてるし(笑)。元夫も変な趣味があって嫌だし、その奥さんは情緒生涯だし、なんだか気持ちが暗くなってしまった。

最後にあんな事になってしまった冬子が哀れでならなかった。冬子にこそ、強く正しく生きて欲しかったです。

『せんーさく』永嶋恵美

せん‐さくせん‐さく
(2000/08)
永嶋 恵美

商品詳細を見る

<評価>★★★★☆
「俺、帰りたくなくって」29歳の専業主婦・諸藤典子は、インターネットの掲示板で知り合った中学生・浅生遼介から、オフ会の帰りの新幹線の中で別れ際にそう告げられる。典子は家出を思いとどまらせるつもりで、ほんの少しだけ遼介につきあうことにした。が、遼介はなかなか帰ろうとしない。道行きの途中、二人は、遼介と同じクラスの友人の両親が殺人事件にまきこまれ、友人自身も行方不明であることを知る…。巧緻なプロットと衝撃の結末で、静かにこわれゆく現代人の不安とさびしさをすくいとった感動の長編ミステリ。

本書が処女作という事ですが、ネットや犯罪、息苦しいご近所付き合い等、上手に描かれていました。私もご近所付き合いというのが、どうにも苦手なので、ここに登場する典子の溜め息をつきたくなる気持ちはすごく共感でした。

結婚していても勤めていた会社を辞め、夫の浮気を知り、危機感をつのらせて産婦人科に行ってみると、不妊症と診断されてしまい、体力もお金も費やす不妊症治療をずっとしている典子。趣味はネットのオンラインゲームをして、その仲間とチャットでおしゃべりする事。そのチャット仲間とオフ会をするのですが、何故か帰りに、オフ仲間の遼介から「帰りたくない」と言われ、典子自身まで、家に帰らない日々が始まってしまうのです。

最初は、典子は夫の女性関係や不妊治療などのもやもやから逃れたくて、少しだけ家に帰りたくないって思ったのかな、と感じていたのですが、読み進めるうちに、典子にも、かなり暗い過去があって・・。そんな過去があるからこそ、遼介が殺人犯だと分かっても、どこまでも一緒に逃げよう。守ってあげなきゃと思ったのかもしれません。

殺人を犯してからの、逃亡って、本当に難しいんだな。読んでいてハラハラしました。

『緩やかな反転』新津きよみ

緩やかな反転 (角川文庫)緩やかな反転 (角川文庫)
(2010/10/23)
新津 きよみ

商品詳細を見る

<評価>★★★★★
亜紀子はある日、見知らぬ女性の訪問を受けた。最後の記憶は、訪問者を玄関に請じ入れたこと。だが、次に気付いたとき、亜紀子は血のついた野球のバットを握り、床に倒れた“自分自身”を見下ろしていた!加害者の姿になって行き場を失った亜紀子は、その女性の持ち物から調べた住所へ、やむなく足を運ぶ。なぜ“私”は彼女に殺されなくてはならなかったのか?対照的な2人の女性の人生が交錯する、サスペンスミステリ。

ものすごく読み応えがありました。冒頭は、主人公の亜紀子が、ピンポーンと尋ねて来た女性に襲われ、気がつくと自分が見知らぬ女性(野田光代)になっていて、倒れている亜紀子自身を呆然と見る・・・というシーンで、あまりにも有り得ない展開に、ついていけないかもと感じましたが、緻密な描写に惹きこまれていました。

亜紀子は独身で雑誌にも載るキャリアウーマンなんだけど、身体は子供がいる主婦の野田光代なので、とりあえず野田光代になりきるしかなくて、抱きついてきた息子を突き飛ばしちゃったりするのだけれど、じわじわと母性が出てくる所がいいな~と思いました。夫なる人はどうやら単身赴任なので、子供たちにとっては自分しか頼りになる人がいないんですもの。ご飯も作ってあげないといけないし、学校の行事の準備とかもしてあげないといけないし。

試行錯誤しながら母親・妻を演じている様子が、こちらまでなんとなくドキドキハラハラしちゃって目が離せませんでした。夫からキスされる場面とか複雑な気持ちになりました。

ラストは少しSFちっくになってびっくりなのですが、最後まで子供の事を考えて動く亜紀子に好感が持てました。後、子供がいる主婦って忙しいんだな~としみじみ。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

今、読んでいる本
カテゴリ
お気に入りの本好きさんたち。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。