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『私の骨』高橋克彦


実家の床下から偶然見つかった古びた骨壷には、なぜか私の生年月日が記されていた……。旧家に残る恐るべき因習と哀しいまでの親心を描いた表題作をはじめ、心理の奥底に潜む恐怖を通して人間の本質に迫る傑作ホラー短編集。「私の骨」「ゆきどまり」「醜骨宿」「髪の森」「ささやき」「おそれ」「奇縁」の珠玉の七編を収録。


<評価>★★★★☆
ネットのお友だちが読んでいて、すごく気になったので、図書館で借りてきました。怖かった~どれもこれも背筋がぞくぞくっとします。7つの短編で構成されています。舞台は東北地方です。九州に住む私にはほとんど馴染みがない土地ですが、想像しやすかったです。骨、人形、大木、河童・・モチーフの使いかたがすごい上手。

知り合いが失踪して、探しに行くのだけれど、ミイラ取りがミイラになってしまうという「髪の森」が一番怖かったです。ぐいぐい読みました。村の人たちがひた隠しにしている秘密。そっちにいったら駄目でしょ、という方向に主人公がどんどん行っちゃうので、手に汗かきました。

「奇縁」は生きている人間が一番怖いと思えるお話。交通事故の加害者である男性の誠意に心打たれ、仲良くなり、その男性の相談事に尽力する主人公。でもある時気づくのです。その男性はあまりにも交通事故を起こしすぎているということに・・。実際にこんな人いたら怖すぎるし嫌すぎます。

ホラーって普段あまり読まないけど、高橋さんのは怖いと思いました。テレビで「世にも奇妙な物語」ってあるけど、ああゆう感じがしました。高橋さんの別の本も読んでみたいなー。
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『ユダ』上下 立花胡桃

評価 ★★★★☆
キャバ嬢になった瞳の胸には高校時代の過酷な経験から、男への不信感と怒りがみなぎっていた。持ち前の美貌と頭脳、そして負けず嫌いの性格は、次々と店を移っても常に瞳を不動のNo.1へと押し上げる。“胡桃”と名を変え、ついに辿り着いた歌舞伎町。飛び交う札束、錯綜する心、拭えない孤独。真に迫る筆致で話題をさらった衝撃のデビュー作。


著者、立花胡桃さんの自伝的小説です。少し文章に稚拙さを感じましたが、初めて書いたにしては上出来だと思いました。最初から最後まで興味津々で読みました。

胡桃さんは高校時代に彼氏との間に子供が出来てしまうんですが、堕胎させられるは、「おれの子?」とかいわれるは、かなり傷つきます。その復讐心でキャバ嬢になってどんどん成功していきます。いや~キャバクラで働くのって、すっごい大変なことなんですね。色恋営業といって口からでまかせの嘘を言わなきゃならないし、接客も完璧にしないとだめだし、周りの女の子からは嫌がらせされるし。。私には絶対にできない職業だわなんて思いながら読み進めました。

しかし世の中にはお金ってもってる人はもってるんですねー。一回で50万とか平気でつかうんですね。プロ野球選手とか、社長さんとか、闇金の人とか、オレオレ詐欺のひとたちとか、みんなお金持ちでびっくりします。

でも読んでいて思ったのは、やはり胡桃の孤独感でしょうか。ひしひしと淋しい気持ちがつたわってきました。また胡桃は男運がないんですよね、借金もちだったり、暴力ふるう人だったり、妻子もちだったり、警察に捕まったり。。きっと周りにそうゆう人種しかいなかったんでしょうね。普通の優しいサラリーマンとかと出会って欲しかったですね。

普通に生活していたら知ることの無いキャバクラという夜の世界のことが細かく描かれているので、面白かったです。

『破産』嶽本野ばら


超売れっ子作家となり、一時は一千万円近くの貯蓄があった小説家の僕。しかし単行本の刊行が延期になり、収入が激減。浪費癖と自堕落な生活も手伝って、気付けば三百万以上の借金ができていた!稀覯本を売って日銭を稼ぐが、高級マンションの家賃とローンの返済は滞り、元カノで資産家の娘・靴乃コからは甲斐性なしと呼ばれ、同じマンションに住む高利貸しの要蓉子には、返済できないなら死ぬべきだと言われる始末。弁護士に相談したものの打つ手がなく、出版社の担当編集者たちに泣きつくが…。これは実話か?前代未聞のドロ沼「借金返済」小説!


評価 ★★★☆☆
『下妻物語』などが独特の世界観でとても面白かった野ばらさん。そうゆうお話を期待して読むと、ちょっとがっかりしてしまうかもしれません。なんせ本書は借金返済小説なのですから。確かに、ここ数年野ばらさんの単行本って見かけていないような気がします。出されてなかったのですね。一時期は一千万円以上の貯蓄があったなんて作家さんってやっぱりすごいな。

しかし今の野ばらさんはかなり大変そうです。浪費癖が抜けきらず、怠惰な生活もあって、300万以上の借金があるそうです。読んでみると確かに浪費癖がひどいです。コラムを月に2本書いてらっしゃるんですけど、それで収入20万。しかし家賃が25万円!。しかも元彼女さんがお金がないと言えばタクシー代をだしてやり、お腹が空けば1万円いじょうするお寿司(ほむほむ巻き)を食べちゃったりしてるんですもん。自業自得といえば自業自得ですよね。

お金を工面するために大切なマニアックな書籍を売り払うところなんかは興味深かったです。でも、300万の借金をしても、本をこうして書けばなんとかなるっていうのがすごいと思います。出版社が前倒しで原稿料をくれるのです。20万の収入なら、せめて家賃は5万円くらいでしょう、普通は。まあ、これを機に発奮して良い小説を書いてほしいです。

『ワーカーズ・ダイジェスト』津村記久子

ワーカーズ・ダイジェストワーカーズ・ダイジェスト
(2011/03/25)
津村 記久子

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<評価>★★★★☆
32歳は、欲望も希望も薄れていく年だった。けれど、きっと悪いことばかりじゃない。重信:東京の建設会社に勤める。奈加子:大阪のデザイン事務所に勤め、副業でライターの仕事をこなす。偶然出会った2人は、年齢も、苗字も、誕生日まで同じ。肉体的にも精神的にもさまざまな災難がふりかかる32歳の1年間、ふたりは別々に、けれどどこかで繋がりを感じながら生きていく―。頑張るあなたに贈る、遠距離“共感”物語。

働く女性を書かせたら津村さんはすごく上手。毎日毎日、なんとかかんとかお仕事をやっています。そりゃあ、嫌な人間関係もあるし、鏡でみたくない程、肌が荒れてたりするけど、きっとその先にはほんのりとした幸せがあるさ。というほんのりとした応援歌みたいな感じ。朝起きるときの辛さ・二度寝したいという思い・吐き気がする朝の光・散らかった部屋・マッチしない靴下間抜けな自分の起き抜けの顔・・・もうどれも、「分かる!!」としみじみしてしまいます。

特別なことなんてほとんど起こらないのに、どんどん読んでしまう。なぜなら共感出来るから。

頑張っていれば明日はきっと心地よい恋人が出来たり、お給料日だったり、ふんわり幸せが待っているよ、と背中を押される感じ。

『K.Nの悲劇』高野和明

K・Nの悲劇K・Nの悲劇
(2003/02)
高野 和明

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<評価>★★★★☆
夏樹果波は、幸福の絶頂にいた。仕事で成功した夫、高層マンションでの新しい生活。ところがそんな矢先、子供を身ごもった。予期せぬ妊娠だった。中絶という苦渋の選択をした瞬間から、果波の精神に異変が起こり始める。精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。科学と心霊の狭間で、夫と精神科医が治療に乗り出すが、二人の前には想像を絶する事態が待ち受けていた―。男女の問題。性の迷宮。生命の神秘。乗り移られる恐怖。心の中の別の人。『13階段』の著者が描く、戦慄に満ちた愛の物語。

めちゃめちゃ怖くてゾッとするお話でした。でも続きを読まずにはいられない、そんな作品。夫の修平と妻の果波。冒頭、二人は幸せの絶頂にいます。今まで売れない貧乏ライターだった夫が書いた「快適暮らし学」という本がヒットし、莫大な印税が入ってきたのです。お祝いのパーティが開かれ、その宴の後、印税で頭金を払った高層マンションへと引越します。そしてその夜、気分が昂ぶっている二人は避妊をしないまま夜を迎えてしまったのです。

赤ちゃんが出来たと分かった時、妻の果波は素直に嬉しいと感じます。これって同じ女としてすごくわかる。ただただ、嬉しくて、幸せなんだろうな。 だけど、夫の修平は現実問題として、マンションのローンが月々14万かかるし、印税は頭金に使ってしまったし・・果波には悪いけど、中絶してもらって、働いてもらわなければいけないと思います。ここが、なんとも情けなく感じる場面でした。物凄く働いて、妻も赤ちゃんもローンも俺にまかせろ!くらいの気持ちを持って欲しかったですね。うじうじと妻の顔色を見るのではなく。

中絶を決めてから、果波が何かに憑かれたかのように変わっていくのですが、もうただただ読んでいて怖かったです。精神障害なのか、幽霊のせいなのか・・・。普段の果波が穏やかで従順なだけに、言葉がきつく、反抗的な果波が怖かった~。

果波の治療をする精神科の先生の磯貝は、ついこの前、目の前で患者を自殺させてしまったのです。理由は子供が出来ないという理由。なんとも皮肉だなあ、と思いましたね。途中からは、果波は精神障害じゃないよ、絶対、幽霊のしわざだよ、早く御祓いをしてーと思いながら読んでいました。

時間はかかったけど、ラストまで読んで、修平という人間が大人になった。良かった。と感じました。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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