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『花桃実桃』中島京子


43歳シングル女子、まさかの転機に直面す―会社勤めを辞め、茜は大家になった。父の遺産を受け継いだのである。昭和の香り漂うアパート「花桃館」で、へんてこな住人に面くらう日々が始まって…。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。


評価 ★★★☆☆
ユーモア小説というのでしょうか。多少インパクトには欠けるものの、30代後半の私にはちょうど良かったみたいです。もっとずっと若いころに手にしていたら、退屈だったかもしれません。

父親の急死により、ボロアパート「花桃館」の住み込み管理人になった主人公・茜。会社で肩たたきにあい、辞めていたのでちょうど良かったですね。父親は助かるものを残してくれたと思います。最初は家賃滞納をしている住居人がいたりして大変そうだけれども、風変わりな住居人とすったもんだしていくうちに、茜は孤独ではなくなります。

茜はまるでサザエさんのよう。そこぬけに天然です。よく考えれば43歳でシングルだし、会社は辞めちゃったし、恋人もいないからかなりへこむ状況なのに、どこかそれを大きな心でうけとめて淡々としています。後半部分はほんのりラブストーリーになるのですが、これまた笑えるのです。百人一首の解釈の仕方がおかしくてたまりませんでした。ラストに作ってもらった「花桃実桃」というカクテル、どんな味がするんだろう?少し苦いらしいです。人生も、そんなに甘くはないですからね。時にはこうゆうほっこり系の読書もいいですね。
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『妻が椎茸だったころ』中島京子

妻が椎茸だったころ妻が椎茸だったころ
(2013/11/22)
中島 京子

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「人」への執着、「花」への妄想、「石」への煩悩…ちょっと怖くて愛おしい五つの『偏愛』短篇集。


評価 ★★★★☆

ぱらぱらと2時間くらいで読むことができました。いやー、なんとも不思議なおはなしたちでした。文章の流れがよくてなんだかあっというまの読書でした。ふらふらと違う世界に足をふみいれたような・・。怖くはなかったです。じんわりと心にしみてくる感じでした。

「リズ・イェセンスカのゆるさざれる新鮮な出会い」「ラフレシアナ」「妻が椎茸だったころ」「蔵篠猿宿パラサイト」「ハクビシンを飼う」の5編からなっています。全部何かにかたよった愛なんですよね。ほんのり悲しい感じもしました。中島さん、上手いなーと思いました。

『小さいおうち』中島京子

小さいおうち小さいおうち
(2010/05)
中島 京子

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赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。


<評価>★★★★★
とても上品な語り口で温かな気持ちになれました。戦前の昭和初期・東京にひっそりと建つ赤い三角屋根の小さいおうち。そこで女中として働いていたタキの回想録として綴られています。

タキの女中としてのプライドが大変共感でき、どうぞこの家にだけは戦争がきませんように、と祈らずにはいられませんでした。

タキの前に、白地に青い水玉模様のワンピースを着て飛び出してきた時子奥様。奥様というよりお嬢様といっていいくらい無邪気で可愛らしいのです。そしてなにより女中のタキを信頼して、頼りにしています。夫よりも濃密な時間を過ごした時子奥様と女中のタキ。男を感じさせない夫と暮らしながら、他の男性に淡い恋心を抱いてしまう時子奥様。それに気づいた時のタキの小さな嘘。

世間は戦争だ、質素こそ美徳!といわれていても、この家では決して贅沢ではないものの、優雅で楽しい時間が流れていたのです。タキも、自分の部屋を与えられて、ここを終の住処にしたいと願います。女中が奥様をおもい、慕う気持ちが全体から溢れてきていて、ココロがホッコリとしたのでした。

ラストの仕掛けも上手だな~と感じました。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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