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『ささやかな永遠のはじまり』盛田隆二

ささやかな永遠のはじまり (角川文庫)ささやかな永遠のはじまり (角川文庫)
(2011/01/25)
盛田 隆二

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園田花織は出版社で編集総務を担当する25歳。新雑誌の創刊準備に迫われながらも、大手電機メーカーに勤める岡島との結婚を控え、公私ともに充実の毎日を過ごしていた。しかし、挙式直前に岡島の女性問題が発覚、絶望のなか花織は別れを決断する。悲しみを忘れるべく仕事に打ち込むなか、花織は新雑誌の編集長、白石の優しさに癒され、そして恋に堕ちていく―。ベストセラー『夜の果てまで』の著者が描く、切なく狂おしい“純愛”傑作長編。


<評価>★★★★☆
『夜の果てまで』や『ありふれた魔法』を読んでいつも思うのは、団塊の世代の為のお話。ロマンス。特に男性の為の。盛田作品にはそうゆう世代の共感や羨望があると思う。私は30代だけれども、盛田さんの作品はついつい本屋で買ってしまう。なんてゆうか、心根が真っ直ぐな女性が出てくるので、自分もそのような女性になったつもりで陶酔して読むのです。

主人公は園田花織。25才。出版社勤務。婚約者の悠介は、優しいし、エリートだし、容姿も良くて、完璧な婚約者。だけれど花織は結婚ってこんなものなのかな~という漠然とした不安を抱えているんです。実はその時点で婚約破棄したほうがよかったんですよね。いくら条件が良くても、ときめきや尊敬がないと結婚してはいけないと思うのです。もちろん結婚前に、悠介の女関係の嫌な部分を見てしまい、結婚はなかったことになります。

なんとなく落ち込んでいた時に自然と心が寄り添っていったのは、同じ部の編集長の白石だったのです。同じ会社で働いていて、上司が凄く素敵な人で、ちょっとでも自分にだけ愚痴なんてものをこぼされた日には、そりゃあ恋に落ちると思います。ただ、白石は妻子持ち。う~ん。苦しいですよね。ここで気持ちをバッサリきれたらいいのだけど、花織はどうしてもきることが出来ず、白石と秘密の交際が始まります。

白石は編集長なので、とても忙しい。だから2人で過ごす時間は少ししかないんです。もっと遭いたい!とヤキモキしながらも花織は愚痴ひとつ言いません。もちろん奥さんと別れてなんても言わないのです。まあ、私だったとしても別れてとかは言わないというか言えないと思う。相手が大変になるのが目に見えてるから。

一回は2人はお互いのために別れを決めて友達に戻るのですが、そんな時に白石に病魔の手が・・。

ラストまで読んで、私だったら、その選択は出来なかったかも・・と正直思いました。肉体的にも精神的にも経済的にもとても大変な選択なんですもの。。でも、花織はすごく幸せなんだろうなあ。しんみりと幸せな気分になりました。
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『サウダ-ジ』盛田隆二

サウダージ (角川文庫)サウダージ (角川文庫)
(2004/09)
盛田 隆二

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<評価>★★★★☆
「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしい、やるせない想い―。日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。若いパキスタン人労働者シカンデル。日系四世のルイーズ。裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。

淡々と書かれているのに、ものすごくやるせない、いろんなしがらみを投げ出したくなるようなお話。日本人の両親から産まれて、日本に住んでいる私は、それだけですごく贅沢な事なのかもしれないと気づかせられます。祖国が無いというか、混血って、自由なようでいてすごく淋しい事なのかもしれない。。肌の色や文化も違うし。

登場する人たちがそれぞれ、淋しい。パキスタンから働きに来ているシカンデル。真面目に働いていたんだけれど、同居人の1人が万引きで捕まりそうになり、内緒で滞在しているシカンデルは泊まる場所を裕一に求めるんです。「友達だろ?」と。それで裕一の義母の所に泊まらせるんだけど、割と簡単に義母と関係を持ってしまうんです。これって裕一からしたらかなりやるせないと思う。義母は衿子という日本人女性なんだけど、どんな男性ともベッドを共にしてしまう女性。義理の息子の裕一にまでまざまざと女の部分をみせつけ、隙あらば寝てもいいわよという態度を取るんです。そんな義母に対する裕一の憧憬と憎悪の想いがすごく胸をしめつけました。

人生に投げやりになるんではなく、頑張って生きていって欲しいと思いました。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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