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『私の命はあなたのいのちより軽い』近藤史恵


「どうして人の命の重さには違いがあるの?」東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。実家で何があった?明らかになっていく家族を襲った出来事とは―。『サクリファイス』の著者が「命の重さ」を描く渾身ミステリー!!


評価 ★★★★☆
読書メーターのお気に入りの方が面白いと書いてるのを読んですぐに図書館で借りてきました。確かにページをめくる手がとまらず、面白かったです。しかし面白い以上に重かった。なんて考えさせられる読書なんでしょう。

夫のドバイへの海外赴任がきまり、臨月の主人公は出産するために実家に里帰りします。そこでは仲良かったはずの両親と妹がなんだかぎくしゃくとしていて、何か隠しているようなのですが。。すごく不穏な空気です。主人公になかなか本当のことを言わない家族にイライラしました。この父親の偏見と独断にはすごく腹がたちました。いるんですよね、こうゆう父親。「こんな娘に育てたおぼえはない」だとか世間体ばかりきにしたり。私も学生時代に病気をして寝込んでいるのに、「高校を卒業できなかったら恥ずかしい」と、校門まで引きずられていったことが何十回もあるので、すごく妹の気持ちがわかりました。悔しくて悲しかったことでしょう。確かに軽率なことをしたけれど、ここまでされなきゃいけなかったのでしょうか??

本書での救いは姉である主人公が助けてくれたこと。両親との壁になってくれたことでしょう。やはり姉妹間のむすびつきって素敵です。ラストはこうするしかないですよね、嫌なことからは逃げていいと思うんです。この両親と立ち向かうには妹はあまりにもまだ幼いですから。ただ、ラストの一ページは必要だったのでしょうか?ここまでしてくれた姉にこんな不穏な終わり方って・・・。
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『はぶらし』近藤史恵

はぶらしはぶらし
(2012/12/21)
近藤史恵

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脚本家の鈴音は高校時代の友達・水絵と突然再会した。子連れの水絵は離婚して、リストラに遭ったことを打ち明け、1週間だけ泊めて欲しいと泣きつく。鈴音は戸惑いながらも受け入れた。だが、一緒に暮らし始めると、生活習慣の違いもあり、鈴音と水絵の関係が段々とギクシャクしてくる。マンションの鍵が壊されたり、鈴音が原因不明の体調不良を起こしたり、不審な出来事も次々と起こる。水絵の就職先はなかなか決まらない。約束の1週間を迎えようとしたとき、水絵の子供が高熱を出した。水絵は鈴音に居候を続けさせて欲しいと訴えるのだが……。人は人にどれほど優しくなれるのか。救いの手を差し伸べるのは善意からか、それとも偽善か。揺れる心が生む傑作ミステリー!


<評価>★★★★☆
これはミステリーではなく、ホラーだと思います。怖かった~・・。私自身、断るという行為をあまり出来ない性格なので、鈴音の気持ちがすごく分かりました。

水絵はずるいですよね。夜中に呼び出して、子供をつれて「家にとめてほしい」だなんて。子供のことをおもうと、断れないと思うんですよね。しかも、水絵には盗癖があって・・。

盗癖のエピソードを聞いた時点で、多分追い出すべきだったんだろーな。

幽霊やお化けも怖いけど、やはり一番怖いのは人間関係なんですねー。

水絵もかなり図々しくっていらいらとしました。はぶらしのくだりや、美容院のくだりや、いろいろいろいろ(笑)。

同情と友情の境目ってむずかしい。

『三つの名を持つ犬』近藤史恵

三つの名を持つ犬三つの名を持つ犬
(2011/05/17)
近藤史恵

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売れないモデルの草間都にとって、愛犬エルはかけがえのない存在だった。一人暮らしの孤独を癒してくれるだけでなく、エルとの生活を綴ったブログが人気を集め、ようやく仕事が入り始めたのだ。だが、ある日エルは死んでしまう。エルの死によって仕事を失うことを恐れた都の前にエルそっくりな犬が現れたとき、思わず都は…。人ゆえの脆さと犬への情愛ゆえに、大きな罪を背負った都を救うのは誰?大藪賞受賞作家が描く、切なくも美しいミステリー。


<評価>★★★☆☆
図書館でこの表紙を見た時に絶対読もうと思った本。だけど辛い読書だった。エルという死んでしまう犬の場面では涙が出た。死に方があまりにも可哀相・・。犬は口がきけないから行動で淋しさを示すしかないのに、行かないで、と伝えてくるエルをマンションに閉じ込めて、リビングのドアを閉めてデートにいってしまった都。

最初はこの草間都という、売れないモデルが嫌な感じで書かれているんだけど、ラストに向かって、正しい人間になってきて、その部分ではこころよかったです。それはきっと犬の掛け値なしの愛情のおかげなんだろうな。

序盤はまるでジェットコースターのように次々と話が展開していって、ぐいぐい読めるんだけど、途中から詐欺師グループの男の子が出てきたあたりから、あまり面白くなかったかな。。

でも、このラストの終わり方はさすがだと思う。いろんなこと全てが収束した。

『アンハッピードッグズ』近藤史恵

アンハッピードッグズアンハッピードッグズ
(1999/10)
近藤 史恵

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<評価>★★★★☆
幼稚園からの知り合いである真緒と岳は、パリで犬の弁慶と共に同棲している。恋人のような、ただの腐れ縁のような関係の二人。ある日、岳は空港で置き引きにあって困っていた日本人のカップルを連れてアパートへ帰ってくる。パスポートが再発行されるまで、と二人をしばらくの間部屋に泊めることにした真緒と岳。奇妙な同居生活は、
ある偶然のいたずらを境にして、四人の関係を微妙に歪ませてゆく……。

これが近藤さんの初めての恋愛小説とのこと。私は犬が好きなので、不吉なタイトルだとは思いつつ、手に取りました。読んでみて、「近藤さんの描く恋愛って大人で好きだな」と感じました。『凍える島』やキリコシリーズとはまた違う、ちょっと江國香織テイストな大人の為の残酷な世界、童話かな。

舞台がパリ。なんてお洒落で憧れちゃう街。そんなパリに、真緒と岳は住んでいます。二人はくっついたり離れたりのくされ縁。岳が最初にパリに来て、弁慶という犬の世話をしてもらう為に真緒をパリに呼んだのです。「犬の世話」という口実を作らないと照れくさいんですよね。二人にとっては。素直に一緒にいたいといえない膿んだ気持ち。。

パリの生活って憧れだわ。バスタブにビールとタバコを持って入ってみたり、(こうゆう事って何故か日本では出来ない気がする)。ワインにバゲッドにシリアル、クロワッサンにカフェオレ・・。パリのクロワッサンがすごく美味しそうで、食べてみたい~。

そんな二人の所に現れたのが、都築夫妻。新婚旅行でスリにあい、泊まる所もないので、岳がしばらく二人を泊める事になるんですが。。岳は常識にとらわれない、奔放な男性で、新婦の睦美にちょっかいを出してしまいます。そんなこんなから、ぐちゃぐちゃと絡まる四人の関係。

個人的には、岳という男性は苦手だな、ということ。その場が楽しければいいじゃん、という感覚で後先を考えないし、ある意味女性にすっごく冷たい。それは無責任ということ。その無責任さが、どれだけ真緒や睦美を一喜一憂させちゃうんです。こうゆう男性には、近づきたくないな。

文章が優雅で、そこはかとなく上品で、淋しくて、なかなか心に響きました。
わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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