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『魔術はささやく』宮部みゆき


それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた……。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。


<評価>★★★★☆
すっごく面白かったです。分厚くて、読み応えもありました。何年も昔に買ったまま、本棚にいれっぱなしにしていた本でした。今回手にしてみて、ぐいぐい読むことが出来ました。骨太の社会派ミステリーという感じかな。
もう昔の作品なので、題材が少し古い感じはしますが、確かに昔、世間を騒がせていたなーあれ、、と感じました。
女性に縁のない男性に近づいて、デートしてその気があるふりをして、お金を巻き上げる・・デート商法。安い化粧品をあの手この手で高額のローンで買わせる詐欺商法。私自身、こうゆう話が大嫌いです。胸が悪くなります。人のコンプレックスや弱い部分、気にしている部分につけこむやり口が寒気がします。
登場人物たちの会話がとてもいきいきとしていて、さすが宮部節!という感じです。
ラストで主人公の守君が懊悩するくだりは、自分だったら自分だったら・・と何回も考えました。人間の持つ善意と悪意について、とにかく考えさせられる作品でした。
未読の宮部作品はまだ本棚にあるので、少しづつ読み進めていきたいです。

『スマホを落としただけなのに』志駕晃


麻美の彼氏の富田がスマホを落としたことが、すべての始まりだった。
拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。
麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。
セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる狂気へと変わっていく。
いっぽう、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され……。


<評価>★★★★☆
映画化になるということで読んでみました。これは怖い!!幽霊とかの怖さではなく、リアルに怖かったです!
彼氏にお願いされて、ちょっとだけエッチな写真を撮らせてて、その彼氏がスマホを落として悪質なハッカーに拾われたら・・。
アマゾンとか楽天とか、クレジットカードで買い物してる人も多いだろうし。スマホにはその人のプライベートがほんとに
詰まってるんですよね。
SNSは私も好きで、いくつかやってるけど、Facebookみたいな、本名で登録してて、フレンドはみんなリアルな知り合いの所で、
変な写真とかばらまかれたらと思うと、想像しただけで気分が落ち込みます。
読んでて面白かった部分は、麻美の今どきの若い女性の本音みたいなのが書かれていた所かな。
自分は他の男性に心揺れたりするけど、彼氏の浮気(?)の写真には激怒してみたり(笑)。
でも、ラストは、涙がでそうになるくらいよかったです。この彼氏かっこいいと思いました。

『とり残されて』宮部みゆき



<評価>★★★★☆
勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。そんな折、校内プールに女性の死体が…。その謎にせまる表題作ほか、夢の「場所」捜しから始まる内面の旅を描いて名作の聞こえ高い「たった一人」など六篇を収録。巧みな伏線、鮮やかな舞台設定。清新にして熟達の筆致をおたのしみください。


久しぶりに短編集を読みました。宮部さんの初期の頃の短編集なのかな??7つのお話が収録されていました。
いや~、どれもこれも面白かったです。宮部さんはほんとにストーリーテラーですよね。読みやすい!
思わずぞっとしたり、なんだか切なくなったり、苦味がきいていたりして、飽きることがなかったです。
ラストの『たった一人』も、すごく良くて、ネットでも評判がいいのですが、私は、ラストから二番目の『いつも二人で』が
なんだか心にしみました。相手にわがまま言われて振り回されて、ため息ついたりしながらも、いつもいつも二人でいたら、
それが当たり前になって、いざ一人になって自由になってみると、心に残るのは淋しさ、、というお話。
そうゆうもんだろうな~と思いました。

普段は、ついつい大作を求めて長編小説ばっかり読んでしまいがちだけど、たまには短編小説もいいなーと感じました。

『クロスファイア』上下 宮部みゆき


青木淳子は常人にはない力を持って生まれた。念じるだけですべてを燃やす念力放火能力―。ある夜、瀕死の男性を“始末”しようとしている若者四人を目撃した淳子は、瞬時に三人を焼殺する。しかし一人は逃走。淳子は息絶えた男性に誓う。「必ず、仇はとってあげるからね」正義とは何か!?裁きとは何か!?哀しき「スーパーヒロイン」の死闘を圧倒的筆致で描く。


<評価>★★★★★
ネットで仲良しのお友だちからおススメしてもらった本です。画像は文庫版ですが、私はノベルス版で読了しました。

いや~面白かったです!!なんで今まで読んでなかったんだろう?映画になった事とかはぼんやりと知ってはいたのですが。とてもとても悲しい女性のお話でした。主人公・青木淳子は念力放火能力を生まれつき持っています。この能力は、力が体にたまると苦しいので、時々廃工場とかにいって放出させる必要があります。その時に人殺しの少年たちと遭遇し、淳子は自分の力で復讐しようとします。危ないシーンが沢山あって、はらはらどきどきしました。そして時々淳子は暴走気味になるので心配でした。能力持ちゆえに、すすんで日陰を歩いているように淳子が見えて、「幸せになって~」っと思いながら読みました。下巻で、淳子に恋人ができ、淳子がとっても幸せそうだった分、ラストが悲しすぎて涙が出ちゃいました。こんな終わり方って。。。

やはり宮部さんは抜群のストーリーテラーですね。最高です。

幼い能力者のかおりちゃんがどんな風に育っていくのか、気になります。幸せになって欲しいです。

『初恋料理教室』藤野恵美


心の空腹、あたたかく満たします。

京都の路地にたたずむ古びた町屋長屋。
どこか謎めいた小石原愛子先生が営む「男子限定」の料理教室では、
今日もさまざまなドラマが起こる――。
『ハルさん』の著者が贈る、滋味たっぷりのやさしい物語。
巻末には、作中に登場する料理の特製レシピも掲載!


<評価>★★★★☆
なんともほっこりして、じんわりと心に染みてくるお話でした。かなり満足です。この本は確か王様のブランチで紹介されていて、読んでみたいと思い、図書館で借りてきました。

舞台は京都です。京都と和食ってなんだかすごく相性いいような気がします。長屋で料理教室を開いているのは愛子先生。ほんわかとしているのに、どこか芯が通った女性なんです。こんな先生がいたら私も料理を習ってみたいって思いました。そこに通うのは4人の男性。連作短編集になっています。この料理教室はある曜日だけ男子限定なんです。通ってる生徒さんたちにはそれぞれいろんな事情があります。

表題作の「初恋料理教室」も、恋する男性の気持ちがとっても素敵できゅんきゅんしながら読んだんですけど、一番興味深かったのは、三話目の「ふたりの台所」ですね。実の母親から手料理を作ってもらえず、ネグレクトぎみにそだった姉弟のお話。姉はストレスがたまると過食に走るし、弟は女装してて、最初はすごく心配だったんですけど、2人で丁寧に作った料理を食べることで、救われていくんです。やっぱり手料理って最高ですよね。私もついつい手抜きをしがちですが、丁寧にご飯を作ろう!と思いました。


わかについて

やま☆わか

Author:やま☆わか
 HN:わか

 活字中毒です。家事の合間では本ばかり読んでいます。気軽にコメント頂けたらうれしいです。
 

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